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「当たり前だろ。ここまでやられて、おとなしく止めると思ってるのか?」
金髪の男が言い放つ。その場を仕切るリーダーのようだ。
それに反応し、取り囲む四人の男達が、黒髪を睨み付ける。
「止められねーよな。アツシ倒したぐらいで、調子に乗んじゃねーっての」
「人数揃えたんだ、負けられっかよ!」
「だわな。転校生の分際で生意気なんだよ」
黒髪の反応如何では爆発しそうな狂気を醸し出していた。
じりじりとむしばむ暑さで汗が滴る。見ている一般生徒でさえ息苦しい。誰もが無言で、その様子を眺めていた。
「人数揃えれば、対等になると思ってるのか? 所詮喧嘩も出来ない雑魚だな」
黒髪が言った。
その体から放つのは、他とは違う独特の覇気。孤高故の気高さ。たとえひとりだろうと怯まぬ覚悟が垣間見えた。
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