永遠の絆

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「その台詞、待ってたぜ!!」 「黎明のクソガキ、この手で封じる!!」 「お坊ちゃんなんかに、負ける訳ねーっての!!」  三人の男が一斉に黒髪に襲い掛かる。 「エリートなんか一撃だぜ!!」  スカジャンを羽織る男の拳が黒髪の顔面を狙う。  だが黒髪はおどけた表情だ。 「言っただろ、俺はエリートって訳じゃないって」  あっさりと言い放ち、バックステップでそれを回避する。  その様子に眉間に皺をよせ、黒髪を睨むスカジャンの男。 「調子に乗るな!」  くるりと回転しバックブローを飛ばす。 「だけどエリートなめたら、やばいんじゃねぇ!」 「ぐおっ!?」  だが足払いを仕掛けられその場に崩れ落ちた。 「がっ! はぁ……はぁ……」  打ちどころを間違い息が出来ない。地面を激しくのた打ちまわる。 「このコゾー!!」 「ぶち殺す!!」  短髪の男と、迷彩服を着込む男が同時に襲い掛かる。 「ラウンド再開ってことか」  ぐっと視線を向ける黒髪。 「残念、どんなに数に頼ろうと、所詮雑魚は雑魚!」  低く飛び込み、短髪と迷彩服、同時に相手し始めた。 「ぐおっ!!」 「なんだこいつ、マジ強いぞ!!」 「だから言ったろう。エリートなめんなって!」  力でごり押しする短髪達だが、黒髪の身体は捉えられない。それどころか逆に圧倒される始末。 「凄いや。やっぱり進藤くん、喧嘩も強いんだ」  その様子を小柄が漠然と見つめていた。  黒髪とは面識があった。同じ高校のクラスメートだからだ。  とは言え、彼の方は自分を知らないだろう。話したこともないし、興味などないに決まってる。  だからこそその強さに興味を惹かれていた。ドクンドクンと、胸の鼓動が高まる。憧れを抱くような、眼差しを向けた。 「……お前、本気であいつが勝てると思ってるのか?」  その耳元に、リーダーの囁きが響いた。
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