第1章

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「紅、今日はいつもより早いんだね」 「ちぃ、君はいつになったら成仏してくれるんだ」 家から学校までは徒歩20分。 通学路には、ずいぶん前から女の子の霊がいる。 「だってー、何にも思い出せないもん。 ずぅっとここから動けないし、私もいい加減成仏したいよー」 見た目は10歳ほど。 初めて会ったのは俺がまだ小さい時だった。 ちぃという名前は、記憶を持たないその子に俺がつけた名前だ。 小さいからちぃ。本人はなんだかかなり気に入ってる。
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