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実際のところ、彼女はぼくの妄想かも知れない。
ぼくは自律神経がイカレルのが先だったか妄想癖がつくのがさきだったか忘れたけど、それらが原因でテレビの人が叫ぶ「現代のくそがき様が抱えるファッキン現代病」らしい。
妄想に次ぐ妄想のおかげで部屋が砂糖どっさりのべたべたしたゼリーで出来てるように見えたときもあったし、
全身が溶けて指先の関節から少しずつ骨がぽろりぽろりと落ちていく様を「見て」失神したこともあった。
それらの妄想に比べたらこの肩に乗っている彼女はかわいいものだ。
彼女がぼくに住み着きはじめてたら酷い幻覚・妄想は無くなっていた。
まるで彼女がデンパをぼくの耳元で囁くたびに体から膿がどろどろどろりと吐き出され、毛穴から毒素が吹き出しているみたいだった。
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