58人が本棚に入れています
本棚に追加
学校に着くまで半日かかった。
思ったとおり。緊急朝会だ。わたしが悲惨な事故で潰れザクロになって死んだから。マスコミもちらちらいるのが見えた。
校長せんせえがあたしのことをまじめでやさしくて国語がとくいで死ぬにはまだはやすぎる生徒とか型通りにしゃべっていた。
馬鹿みたい。
そんなことよりしょーのくんだ。
しょーのくんはいつもの半開きな口のままじっと話を聞いていてくれていた
あたしのことを知ったり、あたしの名前を聞いたのはこれが初めてだよね、しょーのくん
涙を流したつもりなのに涙は出なかった
今のあたしは泣くということができないらしい
黙祷をしているしょーのくんを見て、
ああ、あたしはしょーのくんにとってまじめでやさしくて国語が得意なシンジャッタ女の子としか知って貰えなかったのか、と手をこすりあわせた。
最初のコメントを投稿しよう!