1504人が本棚に入れています
本棚に追加
家に帰って、夕飯を食べる。
味も妻の話も分からない。
ユリアとの今までが頭を巡っている。
出会いから今までが本当に短い。
そう感じる。
朝、目が覚めて天井を眺める。
まだ、眠たいせいか目の前がボンヤリとして頭が重い。
あの別れは不正解だったのかもしれない。 分かれても、職場で会う事となる。
とても憂鬱だった。 後悔してもどうにもならない。
「あなた、様子が変よ」
妻が私を寝ぼけ眼で見て、言った。
「大丈夫だ、それよりお前の作ったうまいコーヒーが飲みたい」
笑みを作って、妻の心配を取ろうとした。「分かった、うんとおいしいの作るから」 「ありがとう、頼むよ」
妻が出て行った跡、私は重い腰をあげスーツに着替えた。
リビングで一口、コーヒーを飲んだ。
「うん、うまい。やっぱり最高だな。」
「あなたったら」
恥ずかしながらも、妻は笑ってくれた。
朝食を終え、靴を履き外へ出た瞬間、私は体に痛みが走るのを覚えた。
最初のコメントを投稿しよう!