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あれから再び殴られた黒猫とハジはある家を目指していた。
「君も大変だな。ん?」
「うん。いつもブレンヒルトは僕のことが虐待するんだよ
これ動物愛護団体に助け求めようかな……
あっ、ここだよ」
黒猫は立ち止まり、一軒の家を差した。
「道案内ありがとう。」
ハジが礼を言うと黒猫は尊秋多学院の方角に向かって歩きだした。
ハジがその家のチャイムを押すと
「はい。どなたでしょ………」
軍神・鹿島昭緒はハジの姿を見て固まっていた。
「やあ、鹿島君
ジークフリートの紹介で来たのだが……
そのつまり………お互い娘を持つ身だからね」
「はあ、どうぞ」
最初は警戒気味だったが同じ娘を持つ身だと知り共感を覚えたようだ。
「今、奈津さんは買い物に行ってまして」
鹿島自身がお茶をだしながらハジに言った。
「ところで晴美の姿を映像と写真どちらで見ますか?」
同志を得たためか目が輝いていた。
「ふむ、では写真で」
「分かりました。」
鹿島はそういうと分厚いアルバムを大量に持ってきた。
「いや、鹿島君の娘さんも可愛いなあ。
命刻も小さくて可愛い時期があったんだが………今は思春期&反抗的でね」
「いやーハジさんも大変ですね
やっぱり、娘はこの時期が一番いいですよ
お父さんと結婚したい
って言ってくれたら昇天するくらい嬉しいですね」
「ところで鹿島君も私の養女・命刻の盗撮写真を見ますか?
命刻も難しい時期なんで写真撮るの苦労しましたよ」
「拝見しましょう。
晴美も時がたてば命刻さんの年齢になりますから、その技術を活かしたいと思います。」
「こういった写真や映像見ないと生きるのも嫌になります」
「同感です。
職場の友達はそれを理解してくれないので困ります」
レイパーという二つ名をもった剣神がくしゃみをしたのはここだけの話である。
ハジと鹿島が娘の話に花を咲かせていると
「おや、日が暮れたようだからそろそろ帰るとしよう」
「奈津さんの料理を食べていきませんか?」
「それはありがたい申し出だが、愛しの命刻が家で待っているので帰ることにします」
「そうですか………
では、また語りましょう。同志・ハジ」
「こちらこそ、望むところです。同志・鹿島」
二人は固い握手を交し、ここに“親バカ同盟”が締結された。
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