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食卓
「義父さん、仕事は見つかったのか?」
半日以上、鹿島家で娘談義に花を咲かせたとは口が裂けてもいえないので
「いや、高齢や人種が問題でな。」
「義父さんなら、今時の若者より力と経験があるのに採用しないとは面接官の目は節穴だな
やはり、UCATに頭を下げるしかないんじゃ……」
命刻は歯切れ悪く言った。
「私もそれは考えたが……
UCATのトップである大城全部長に頭を下げるのは人間の尊厳に関わる気がしてな」
「確かに……やっぱり再就職は難しいな」
多摩某公園
ハジはベンチに座り、空を見上げていると
「ハジさんじゃないですか」
場違いな声がハジの耳にはいった。
「ふむ、大樹君かね」
「ハジさん、お久しぶりですね~
私は目覚ましが壊れてまた遅刻ですよ
ハジさんは何をしていたんですか?
ベンチに座って空を眺めるなんてリストラされたサラリーマンみたいですよ」
グサッとハジの胸に大樹の言葉が突き刺さった。
「大樹君、いつから君はそんな腹黒い発言をするようになったんだね?ん?」
「いやー、全竜交渉会議の前にブレンヒルトさんの術で浴槽に頭をぶつけてからこんな感じなんですよ」
ニコニコしながら大樹が言った。
ハジは胸の中で黒大樹に気を付けてようと誓った
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