泥棒猫

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人のものに手を出すんじゃないわよ 「この泥棒猫!!」 そう私を罵っておばあは電話を切った。 電話が来るのは、 智(とも)から聞いてた。 だから冷静でいられた私。 自分の中でキーワードを決めていた。 しっかりそのキーワードを 踏んでくれた。 相変わらずお馬鹿な人。 その言葉さえ言わなければ別れてあげたのに。 同じ女として 少しでも 感じるものがあれば 身を引いてあげたのに。 やっぱり 変わっていなかった。 それを吐き出してしまったから 苦痛を伴ってまで無理に別れようと思わない。 今まで通り付き合って行こう。 そう決心した。
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