プロローグ・虹

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水が流れるように、闇も流れる。 水が漏れるように、闇も漏れる。 何故か、夢の中で見た虹はグレーの虹だった。 モノトーンのグラデーションの虹だ。 それが霧の街に架かっている。 その霧を突き刺す高層ビルは、天国に届くと人間は考えた。 しかし、グレーの虹を渡って来たのは闇の魔物だったのである。 その魔物は、招待状を持っていた。 誰かが間違えて呼んだのだ。 魔物は、高層ビルのエレベーターのボタンを押して、再び地上に降り立った。 『ハロー!またゲームをしようぜ!?』  
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