第一章

8/15
前へ
/245ページ
次へ
「肩から一振りと 胸に穴の開いた男でした」 土方が振り向く 姿に変わりはないのだが少し沖田には笑っているように感じた 「それでどうしたんだ?」 冷静に話しを進める 何処かしら気になったのであろう 「胸の上に鬼橙と言う花が置いてありました 犯人は既に去った後でしたよ」 鬼橙と聞き 土方は底知れない笑みを浮かべたのであった 「今月で三度目だな」 煙管から息を吐き出して 天井を仰ぐ 「山崎には調べて貰っちゃいるがなァ 山崎でも未だに掴めねェらしい」 まるで楽しみだ と言うように言葉を紡いだ 「何人たりとも邪魔はさせねェよ……ククク……」 喉で土方は笑っていた  
/245ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3406人が本棚に入れています
本棚に追加