第七章

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「……知らねェよ」 ふー。と煙管から口を離し白い煙を外に放つ。 「だが………」 土方は男を見据える訳でもなくただ筆を動かす訳でもなく。 外にある梅の木を見据えた。 もう梅の咲く季節は過ぎている 「敵ならば斬るのみ。」 そう土方が男に告げた瞬間、梅は花弁を散らした。 風に乗りひらひらと優雅に、そして儚く空を舞う淡い赤色。 所々に白い花弁も待っている 男はそれを見て顔を歪めた  
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