序章

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「たっ……助けてくれっ!!!」 京の夜 「嫌だ」 1人の男と 「うっ…うわぁぁ……ー」 1人の少女 ぽたり  ぽたり 刀を伝い赤い水滴が地に落ちる 「安らかに逝って」 少女が懐から一輪の花を出す 「さようなら」 そっと亡骸の胸の上に花を置く 去り際に彼女は言った 「幸せよ…… 今、逝けるなんて 私は 逝きたくても 逝けないもの………」 男の胸に置かれた花  ホオヅキ 『鬼橙』が風に揺れた  
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