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「私たちも、もう高校二年生。来年には受験生となるわ。して、これは高校生活最後の春休みだと言ってもいい!」
三学期の終業式。あにゅーは誰もいなくなった教室で俺に言った。
「ああ……そうだなあ」
受験生なんて自分には縁の無い話しだと思っていたもので、あにゅーにいわれてもそんな感じはしない。
「何寝ぼけたように言っているのよ!あんた、この高校入るの簡単だったわけ!?」
あにゅーが少し怒り気味に言った。
いや、簡単だったわけじゃない。大変だったさ。別にこの高校の偏差値が高い訳じゃない。俺がバカだっただけだ。だから中学であにゅーにお世話になったことはよく覚えている。
「でしょう?あんたならまた来年ヒドいことになると思うの」
「……」
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