17人が本棚に入れています
本棚に追加
「それじゃ席につけ。」
新しい担任がそう言うと今までバラバラだった生徒達が決められた席につき始めた。
俺はだいたい真ん中で隆司は窓側だった。
「まぁ~だいたいの人は分かってると思うが一応みんな簡単に自己紹介してくれ。」
担任の言った通り順番に簡単な自己紹介が始まった。
「……ほう。加藤は釣りが好きなのか。俺と同じだなぁ。」
「えぇ~先生と同じ趣味なんて嫌だなぁ~。」
「そんな事言う奴には単位はやらん!」
「マジかよぉ?先生すいませ~ん。許して~。」
教室に笑い声が響く。
「お前はもういい。じゃ~次は……木村か。」
「はい。」
ちょうど俺の隣だった木村と呼ばれる女の子の声が聞こえた。
「木村 綾です。去年は…」
簡単な自己紹介が終わり彼女は静かに座った。
あの時は何も思わなかった。
あの時はただ綺麗な人だな…って思っただけだった。
それが俺の高校生活を大きく変えるきっかけになるなんてこの時は思いもしなかった。
最初のコメントを投稿しよう!