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釣りのルアーがキラキラ光ってるみたいに、キャバ嬢たちのドレスも鮮やかに光ってる。
ピンク、赤、紫。
まだ人格の形成も出来てないあたしたち少女に、
男達はいったい何を求めて来るんだろう。
「ねー、昨日のキモス電話マジしつこいんだけど」
ドレス同様、きらびやかなストーンを散りばめたケータイを、
つまらなそうにいじくりながらアスカが言った。
「昨日のキモスって?奥のボックスのアスカ指名の?」
「そー!帰ったら電話しろとか休みの日は何してるとか!彼氏かっつの!」
「それはウザいね~…」
金持ってなきゃマジ切ってる。そう言ってアスカは乱暴にケータイを放り投げた。
所存なさげに転がったケータイは、この街とおんなじ、ピンクのネオンみたいに、安っぽいストーンが散りばめられてて、
あたしたちのドレスみたいに、細やかでうさんくさいラメで塗りたくられてる。
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