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アスカは可愛い。
ここに居るみんな、同じくらいの長さのつけまつげしてても、
同じようなぐるぐるのエクステしてても、
同じ色のカラコン入れてても、
素材の良さはハッキリとにじみ出る。
アスカは可愛くて、そしてその事をアスカも知っている。自分が可愛いという事を自覚している少女は男に対して残酷だ。
あたしの容姿は十人並みで、とりわけ美人でもなけりゃ席に着いて追い返されるほどでもない。
取り柄は、このうすら寒い世界で身に付けた愛想笑いとお世辞と、人よりちょっと大きい胸。
あたしは容姿では明らかにアスカに劣っているけど、指名の数やドリンクを頼んだ数はアスカよりは多かった。
明らかな美女より落としやすそうな、愛想がよい、手頃なレベルの女。
消して男のプライドを傷つけない女。
それを演じるのが、時給2800円のあたしの仕事だった。
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