第一章 アタシは誰……?

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成嶋がリサに感じていた複雑な心境……。 それはリサの“衝撃の告白”に隠されていた……。 確かにリサに好きな男がいたって全く不思議ではない……。 むしろリサほどの女なら、彼氏がいて当たり前だった。 しかし、リサの口から出た一言は“実の弟を愛している”という衝撃的な真実だった……。 しかも、リサは実際にヤマトと何度もセックスしていたという……。 近親相姦……成嶋にはとても理解できない性癖だった……。 もしも自分が愛した者が自分とは違う性癖を持っていたら……あなたならどうしますか……? それでも成嶋はリサの身を案じていた。 もしもリサの身に何かあったら……。 成嶋はそのことだけを心配していた……。 リサが“山ピーの魔法の言葉”の謎を追い求める限り、その可能性は尽きないのだ……。 それならば……。 そう、それならばと成嶋は考えた。 この街一番の暴力を持つエリカにリサの身を守ってもらうしかなかった。 エリカの持つ暴力を持ってしても“山ピーの魔法の言葉”に太刀打ちできるか分からない……。 それに、エリカだってそこまで信用できるか分からなかった。 エリカも成嶋と同じく、リサの“衝撃の告白”を聞いて戸惑っているはずだ……。 血の繋がった姉弟でありながら、身体を交えたリサをエリカがよく思っているはずがない……。 だからこそ成嶋は自らの身を危険にさらすようなまでをして山下に近づいたのだった。 リサの身を守る為に、成嶋は自らの命をチップにして大きな賭けに出たのだった……。 【続く】
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