第一章 アタシは誰……?

13/23
前へ
/257ページ
次へ
その日アタシはいつものように夢の中で“アイツ”と会っていた。 夢の中でしか会うことのできない名前も知らない“アイツ”と……。 それはまたいつもと同じ夢だと思ってた……。 だけど、その日の夢はいつもと少し違ったんだ……。 そう、その日の夢は“アイツ”からの警告だったんだ……。 「やぁ、また会ったね」 “アイツ”は不自然な作り笑いを浮かべながら言った。 「もうすぐ君に会いに行けると思うよ……」 「何言ってるの?今、こうして話してるじゃない……?」 「そうじゃない。今度は本当に会えるんだ……」 「え……?」 次の瞬間、“アイツ”は一瞬の内にアタシに近づいてきたかと思うと、突然、巨大な津波となってアタシを飲み込んだ……。 ハッ……。 そこでアタシは目を覚ました。 いつものように全身に鳥肌が立ち、大量の汗をかいていた……。 アタシはたんすの中から下着を取り出し、着替えると、センセーが用意しておいてくれた水筒からお茶を注ぎ、ゆっくりと喉の奥に流し込んだ。 不思議とセンセーのお茶を飲むとぐっすりと眠ることができたのだ……。 お茶を飲んだアタシは、いつものようにぐっすりと眠ることができた……。 アタシはその日に見た夢のことなど全く覚えていなかったが、“アイツ”の言っていたことは確実に現実のものとなった……。 そして翌日、事件は起こった……。 【続く】
/257ページ

最初のコメントを投稿しよう!

76人が本棚に入れています
本棚に追加