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その日アタシはいつものように夢の中で“アイツ”と会っていた。
夢の中でしか会うことのできない名前も知らない“アイツ”と……。
それはまたいつもと同じ夢だと思ってた……。
だけど、その日の夢はいつもと少し違ったんだ……。
そう、その日の夢は“アイツ”からの警告だったんだ……。
「やぁ、また会ったね」
“アイツ”は不自然な作り笑いを浮かべながら言った。
「もうすぐ君に会いに行けると思うよ……」
「何言ってるの?今、こうして話してるじゃない……?」
「そうじゃない。今度は本当に会えるんだ……」
「え……?」
次の瞬間、“アイツ”は一瞬の内にアタシに近づいてきたかと思うと、突然、巨大な津波となってアタシを飲み込んだ……。
ハッ……。
そこでアタシは目を覚ました。
いつものように全身に鳥肌が立ち、大量の汗をかいていた……。
アタシはたんすの中から下着を取り出し、着替えると、センセーが用意しておいてくれた水筒からお茶を注ぎ、ゆっくりと喉の奥に流し込んだ。
不思議とセンセーのお茶を飲むとぐっすりと眠ることができたのだ……。
お茶を飲んだアタシは、いつものようにぐっすりと眠ることができた……。
アタシはその日に見た夢のことなど全く覚えていなかったが、“アイツ”の言っていたことは確実に現実のものとなった……。
そして翌日、事件は起こった……。
【続く】
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