第一章 アタシは誰……?

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その日の夜、リサは古城の家の自分のベッドの中で再びあの夢を見た……。 リサの目の前に一人の男が立っていた……。 その男はリサよりも年下で、リサもよく知っている人物のように思えた。 「またあなたなの……?」 リサがその男に話し掛けると、その男はニッコリと微笑みながら答えた。 「そうだよ。僕はここでしか君と話せないからね……」 男の言葉を聞いてリサは少し悲しくなった。 なぜだろう……? それはこの男がすでに死んでいたからだった……。 だけど、リサはどうしてもその男の名前を思いだせなかった……。 「ねぇ、教えて……。あなたは一体誰なの……?」 リサの問い掛けに男は笑顔を絶やさずに答えた。 「君は何度も同じことを聞くんだね……。僕は何回も君に教えてあげたのに、君はすぐに忘れてしまうんだから……」 そう言われても、やはりリサには、この男が誰なのか分からなかった。 「……ダメだ。思い出せないよ……。お願いもう一回教えて。今度は絶対に忘れないようにするから……」 真剣なリサに対して、男はくすくすと笑いながら言った。 「そんなこと言ったって、どうせ君はまた忘れちゃうよ……。でも、まぁいいか。教えてあげるよ……。僕は君のことが大好きだからね……」 リサは真剣に男を見つめながら話を聞いていた。 「いいかい。僕の名前は……」 「!!?」 そこでリサは目を覚まし、ベッドの上で起き上がった。 全身には鳥肌が立ち、冷や汗で下着までぐっちょりと濡らしていた……。 リサはバスルームに行き、顔を洗い、コップに水を注ぎ喉に流し込んだ……。 何かとても怖い夢を見たような気がしたが、内容は覚えていなかった。 一体あの夢は何だったんだろたう? そんなことを思いながらリサが目の前の鏡を見た瞬間、リサは背筋が凍り付くような感覚にとらわれた……。 鏡に映った自分の後ろに見知らぬ男が立っていたのだった……。 【続く】
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