プロローグ

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しばらく、2人は キャッチボールを続けていた。 「いい肩してるんだねー。  何かスポーツしてるの?」 「何にもしてないよ。  お母さんが病気でさ。  このグローブ買うのが  やっとだったんだ。」 「そうなんだぁ。  もったいないなあ。」 「お姉ちゃんは  何かスポーツしてるの?」 「お姉ちゃんは  ソフトボールしてるんだ。」 俊はこの時の枝里の笑顔に 一目惚れしていた。 「あっ。そろそろ行かないと…」 「あの…。」 「ん?」 「俺のお嫁さんに  なってください!!」 「ふふっ。」 「俺は本気なんです!!」 「君がもう少し  大きくなってからね?  この帽子とグローブあげるから。  その時まで絶対持っててね?」 枝里は帽子を俊に被せ、 グローブを手渡した。 「また…会えるよね!?」 「えぇ。きっと。  じゃあ、もう行くね。」 枝里は荷物を持ち、歩き出した。
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