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「本当は戸田と風間にも聞いてもらいたかったが、このざまだ。お前だけでも頼むよ」
そう言って竹中は徐に携帯電話を取り出した。
竹中が調べたのは、あの病院のことだ。
「30年近く前に病院内で虐殺事件が起こったらしい」
患者の女の子が刃物で看護師や患者を次々と殺していった。
逃げ出した者が警察を呼んだが、その時はもう遅い。
散々人を殺して満足したのか、その後彼女は自分の首を切って自害した。
被疑者死亡。事件はそれで強制終了された。
惨い話だがここからが本番だ。
「そんな事件があった後だから、病院側も経営できなくなった。だから病院自体が廃れたんだ。でも、建物を壊すことができなかった。なんでかわかるか?」
それは、工事を行おうとするたびに事故が起きて中断されるからだ。
会社自体が倒産したり、経営者が亡くなったり、トラクター自体が故障でないのに動かなくなったこともあったらしい。
「それを怪奇現象だの呪いだの言う奴らがいて、誰もあの建物の解体工事に関わらなくなった。だから病院は当時のまま残っているという訳だ」
「で、だ」と竹中はサイトを開く。
「これが風間が見てたサイトだ。どいつもこいつも"女の子の声がする"って言いやがる。あそこであった女の子はこの事件の子で間違いないだろう」
竹中はまるで俺に確認するかのようにそのスレッドが書かれている画面を見せてきた。
竹中は一息ついて、水を飲んだ。
「それで、さっきの情報なんだが」
また彼は携帯電話で違うページを見せた。
今度は地元ニュースが書かれたサイトだ。
そのトップに交通事故の記事があった。
本日未明、隣町の山道で交通事故があった。
カーブを曲がり切れず、レールにぶつかったという。
乗車していた若者たち3人は重傷だが、幸い死者はでなかった。
よくありそうなニュースだが問題は発生した住所だ。
「これって…」
サイトに写っていた現場の写真を見て俺は息を飲んだ。
先日、俺たちが通った廃病院までの道だ。小さいがあのコンビニが見えるので間違いないだろう。
だが、恐怖はこれからだ。
その後、竹中はご用達の某掲示板を見せたのだ。
【放送事故】このニュースにヤバイの映ってるww【閲覧注意】
俺はタイトルで全てを察した。
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