―弐―

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夜 祖母の家に泊まり、夕食が出ました。 とは言っても、子供の私が居られるような雰囲気ではなく… 私は二階の部屋で、一人夕食を食べていました。 後ろの戸が開き、千紗都も入って来て、二人で食事をする事になりました。 正直 千紗都と二人よりも 一人の方が気楽でしたが… 気楽というよりも あまり千紗都と一緒に居たく無かったのです。 千紗都は やはり独り言のように、私に話しかけてました。 『今日あなたも泊まるのね。私もよ。』 お椀を持ちながら、千紗都は喋り続けます。 『この部屋って子供部屋かしら?お婆ちゃまが置いたのかしら?』 この部屋には 沢山の人形が有りました。 沢山の日本人形の中 私達は食事をしていました。 今考えたら 何故、恐いだとか考え無かったのでしょう? あんな おびただしい数の人形に囲まれていたのに…
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