―弐―

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私はまた独り 海を眺めていました。 しばらくすると ぱたぱたと足音が聞こえ 母がやって来ました。 『独りで何をやっているの…?お婆ちゃまにお線香あげましょう』 そう言うと私の手を引き広間へ連れて行きました。 広間は、先程よりは やや人数が減っていました。 何人かは線香をあげた後、帰ったのでしょう… お婆ちゃまに線香をあげるため お婆ちゃまの棺の前に座りました。 棺は蓋がしまっていました。 なので私は、お婆ちゃまの最期の顔も見れませんでした。 線香をあげ終わり、帰るかと思いきや 明日も火葬のため 今日は祖母の家に泊まる事になりました。 本当は死人と一つ屋根の下で過ごすのは嫌だったのですが 祖母の息子…つまり私からしての父も まだ此処へ来てはいませんでしたから 父を明日まで待たなくてはいけなかったので 仕方有りませんでした… 今思えば この時 無理を言ってでも帰ってれば良かったと思います。
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