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私はまた独り
海を眺めていました。
しばらくすると
ぱたぱたと足音が聞こえ
母がやって来ました。
『独りで何をやっているの…?お婆ちゃまにお線香あげましょう』
そう言うと私の手を引き広間へ連れて行きました。
広間は、先程よりは
やや人数が減っていました。
何人かは線香をあげた後、帰ったのでしょう…
お婆ちゃまに線香をあげるため
お婆ちゃまの棺の前に座りました。
棺は蓋がしまっていました。
なので私は、お婆ちゃまの最期の顔も見れませんでした。
線香をあげ終わり、帰るかと思いきや
明日も火葬のため
今日は祖母の家に泊まる事になりました。
本当は死人と一つ屋根の下で過ごすのは嫌だったのですが
祖母の息子…つまり私からしての父も
まだ此処へ来てはいませんでしたから
父を明日まで待たなくてはいけなかったので
仕方有りませんでした…
今思えば
この時
無理を言ってでも帰ってれば良かったと思います。
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