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才蔵「おおっと・・
こりゃ、
ちと やっかいな
相手じゃな・・」
急に馬が止まり、
才蔵の背中越しに
馬から覗くと
二雁金の旗印・・
『鬼柴田』・・
しかも数は数千。
さすがの可児才蔵も
数千相手には無理だろう。
「才蔵、東に迂回し
逃げよ・・
真っ直ぐ 馬鹿正直に
小牧に向かうから
こういうことに
なるんじゃ・・
じゃから、
東周りで行けと
いうたじゃろうに・・」
そう、私は
何度も、何度も
才蔵に
東から小牧へ回れと
命令したのだが
馬鹿、才蔵が
「わしは真っ直ぐにしか
進まん」
と言い張り、安直な道で
来てしまったのだ・・
才蔵「姫!
よく捕まって
おるんじゃ!
馬から落ちても、
助けんぞ!
アハハハハハッ!」
と、叫ぶと
棒切れから、槍に持ち替え
馬を大軍の中へと
突っ込ませていく才蔵。
「お、おい!
どこへ行くのじゃ!
東じゃ! 東!」
才蔵「わしは天狗じゃから
死なないんじゃ!
ヒャッホー!」
こう喚きながら
ブンブンと槍を振りまわし
柴田勢に突撃する・・
ば、馬鹿!
本当に馬鹿!
「お主は、天狗じゃから
死なぬかもしれんが
わらわは死ぬじゃろ!」
バシバシと才蔵の背中を
叩く私。
才蔵「ハッハハー!
姫も狐巫女じゃから、
死なぬじゃろ!
敵を妖術で
惑わしてくれんかの!?
その間に
わしが 突っ込む!」
ウキウキしながら
私に
無茶苦茶な作戦指示を出す
才蔵・・
ダメだ・・こいつ。
使い物になんない・・
こいつが出世できない
理由を今、痛感した・・
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