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「すぐに、応戦せよ!
退くのは その後じゃ!
各将、お頼み申す!」
全員が無言で 地面を叩くと
散り散りに持ち場へと
走り出す。
その後、すぐに
アカベが本陣の幕の裏から
ヒョイっと現れた。
「どうした? アカベ」
アカベ「ここで、姫君とは
お別れかも
しれませんな・・」
また バッドニュースか。
続けざまになんだってんだ。
続けざま?
違う、織田が
策を張り巡らし、
それが今 発令されたのだ。
アカベ「武田が
東尾張と西三河に
侵攻開始。
北畠も清洲に向け進軍。
岐阜からの織田勢は
二手に別れ、
織田信長率いる本隊が
小牧城へ
柴田勝家率いる
別働隊が
こちらの援軍に」
私は苦笑いすると、
「では、達者でな」
と、銅銭ではなく
銀銭を放り投げる。
アカベ「この
貰い受けた名、
以降も
ありがたく使わせて
貰おう・・
では、ご無事で・・
駿府まで
帰れますよう
お祈りもうす」
アカベは こう一言 言うと
走り去っていった。
まさしく、
四面楚歌ではないか・・
この一斉包囲網を
打破できるのか?
武田には家康殿、
小牧には榊原殿、
清洲には井伊殿が
居るには居るが・・
兵力は少ない。
顔面蒼白し、
冷や汗が頬を伝う。
それに伴い
私は軽い眩暈を起こす。
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