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恒興「ほほう、
これはこれは・・
お強いですな・・
久々に武者震いを
したわい。
お相手願おうか・・」
武士というものはわからん。
いや
男というものはわからん。
私なら絶対逃げる。
恒興が槍を構えると
忠勝は無言で頷き、
同じく槍を構える。
恒興「者ども、
手を出すでないぞ!」
自分の兵に、
邪魔をするなと声をかける
恒興。
グルグルと槍の先を回し、
足を前後にスッテプする
恒興。
あれで、間合いと呼吸を
取っているのか・・
一方、微動だにしない
忠勝。
恒興「ちぇすとぉぉぉ!」
一歩前へと踏み込み
槍を繰り出したる
恒興だったが、
紙一重でかわす忠勝。
恒興「さすがでござるな」
忠勝「そちらも・・」
やがて、カンカンと
お互いの槍がぶつかる音が
何回も聞こえ始め、
引いては押し、
押しては引くの槍の攻防が
続く。
忠勝は無表情。
恒興はまるでこの戦いを
楽しむかのごとく、
ニヤリ、ニヤリと
槍を突き出す度に
不適な笑みを浮かべる。
そんな 忠勝の表情も
少しづつ、笑みを浮かべる。
殺し合いを
楽しんでいるのか・・
いや、お互いを
認め合っている?
生と死の狭間の中でか?
わからん・・
男というものは
本当にわからん・・
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