第十六章 逃避行

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やがて、 柴田勢の目の前まで来ると、 さすがに 単身突っ込んできたのに ビビったのか、 モーゼの十戒で 海が割れるように 兵が一気に真ん中から割れ、 馬で その中を 駆け抜ける。 才蔵「やいやい、  物の怪二強の御通りじゃ!  邪魔する輩は  ぶったぎるぞい!」 言いながら、 邪魔をして無い逃げる奴も ぶった切る、可児才蔵。 柴田軍が真っ二つに割れた その道の彼方、 たった一人、 こちらに向かい 立ち尽くす男あり。 誰だ・・? やがて、そいつへと どんどん 馬は近づく。 才蔵「肝の座った奴が  おるのぅ!  誰じゃ・・!?」 やがて、その男は 私たちが至近距離まで 近づくと こちらに向かい 槍を振り回す。 才蔵「し、柴田殿!」 柴田勝家・・! こいつか! 勝家「よぅ・・久しいな。  あいかわらず  無茶をやっておるのう。  そのオナゴを渡せ  ・・さもなくば、  斬る!」 才蔵「わしは、もう今川に  なったんじゃ!  柴田殿・・いや、柴田!  もう、お主の命令は  聞かぬぞ!」 柴田「若造が・・  少しくらい  腕が立つからといって  調子に乗りおって・・」 柴田勝家と可児才蔵、 睨み合うこと 約5分。 才蔵が馬上から槍を 繰り出した・・
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