第一章 序章

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いや、本当に死んでるのか? 私は2,3度 倒れたまま そいつに強くキックした。 目をカっと見開いた そいつはピクリとも動かない ヤバい・・ マジで死んでる・・ どうしよう 警察? 救急車? いや、圏外だ。 私は立ち上がると、 ふと嫌な予感がして 周りを見渡す・・ それは 死体、死体、死体。 死体の山。 その死体といったら、 全ては時代劇のように 甲冑やら刀やらを 身にまとっている・・ 合戦? まさかね・・ 何時代だ・・ 瞬時に私の頭の中を巡る 様々な疑問。 ・・タイムスリップ? ひとつの答えが 導き出される。 冗談じゃない・・ 私のセレブの夢は どうなるんだ・・! 私は混乱しつつも 身の危険を感知して 刀を手に取る・・重い・・ 重すぎる・・ すると、汚らしい男が 草の陰から出てくる。 なんだ・・この男、キモい。 乞食のような格好をした、 男は私を見るなり口を開く 男「アンタも  刀剥ぎにきたのかい?」 は? 男「なんだ、違うのかい?  その格好はなんだ?  バテレンか?」 私の呆気にとられた顔を見て 男は言葉を放つ。 バテレン・・なんか、 歴史の授業で聞いたことあるぞ 何だっけ・・ ああ、そうだ、外人だ。 外人のことだ。 「ワタシ、バテレンデース ココハドコデスカー マイゴニ  ナッテシマイマシター」 などと、怪しい外国人を 演じてみる。 男「ああ、桶狭間だよ」 男は死体から刀やら甲冑やら 剥ぎ取りながら言う。 桶狭間・・今川・・織田・・ 頭に浮かぶ、単語。 桶狭間の合戦の後・・か。 くそう、マジで タイムスリップ しちゃったよ! 私は少し涙目になってしまった
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