第一章 序章

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そして、私は敗残兵と共に 三河から 駿府(静岡)へ 向かったのである。 駿府------ さて、ここ駿府では 今川義元の跡継ぎは 今川氏真となった ・・らしい。 私はその氏真に謁見するため 駿府館に来ている。 誰だよ・・氏真って。 歴史の授業で習ってないぞ。 私は山田先生に怒りを 覚えながらも 慣れない煌びやかな着物を まとい、 まるでどこかの姫のような 格好で館を歩く。 着物の裾を踏みそうだ・・ やがて、氏真の前へと 押し出されるように 謁見させられる。 氏真「おもてをあげい」 私は頭を上げて氏真を 見つめた。 プッ・・なにこいつ・・ お貴族様? こんな奴の下なのか? 私は・・ 氏真「美しい!」 はい? 氏真「なんと、 美しいのじゃ!」 マジか・・ 私は、好機とみて すかさず、必殺のスマイルを かわいらしく、繰り出す。 どうよ! このグラドル並みの笑顔! 氏真「朝比奈!」 朝比奈「ハッ・・」 氏真「このオナゴ、 麿の手元に 置いていいかの?」 よし、来た! 朝比奈「構いませぬが・・」 氏真「そうか!  そうか~!」 朝比奈が耳元で囁く 朝比奈「良かったな・・ せいぜい、 かわいがってもらうといい ここでワシとはお別れじゃ」 世話になったな・・朝比奈 今まで、ありがとうよ。 私は目を閉じ、 「では、達者で・・」 と、言い 朝比奈に深々と 頭を下げる。 これでもっと 贅沢ができるぞ! フフフ・・私のセレブの夢は 留まることを知らない! この時代で のし上がってみせるわ!
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