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まず、アカベが発した言葉は
さえに対してだった。
アカベ「何故、わかった?」
さえは鼻を二、三回
クンクンと嗅ぐ
所作を見せると
「匂いじゃ・・
匂いでわかるんじゃ・・
伊賀者は匂いでわかる」
などという。
犬か・・おまえは・・
アカベ「犬か・・
おぬし・・」
心の中の言葉が
アカベと被った・・
「して?何用じゃ?」
私はアカベへと問う。
アカベは深編笠を両手で
ゆっくりと外しながら
私へと顔を見せ
こう言った。
アカベ「越後が不穏な動きを
見せておるようじゃ」
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