第八十一章 駿府への帰還

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氏真「おお、由美か!  久しぶりじゃのぅ!  ささ、こちらへ来て  茶でも・・」 氏真は私の顔を見るなり 大きく目を見開いて こう言う。 まったく、 何を言っているんだと・・ 相変わらず、 危機感の無い奴め・・ 肝が据わっているのではなく 単に、 危機感が無いだけである。 こちらに 情報が回ってきたのなら もう駿府にも 上杉の軍事行動予兆の 知らせは 来ているはずなのだが・・ 私は頭を下げると 少し、怒りを抑えながら こう言った。 「越後の上杉が、  甲斐へ下るという報を受け  駆けつけましたが・・」
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