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妖精はどうしても私に助けて貰いたいらしい……。
説明をしようとするが、私は無視して前に歩く。
「ちょ、待って下さいぃぃ~っ!!」
妖精は私の前に立ち塞がる。
「邪魔よ」
私は妖精を叩き落とす。
「きゃぁっ!?」
そして、私は前へと進んだのだった。
妖精と別れてから暫くして、大きな樹があった。
霧のせいで全部は見る事が出来ないのだが、とても立派なことはわかる。
「すごい……」
この私が口に出してしまう程だ。
……うん、たまにはこんな夢も悪くはないかも。
あの妖精は邪魔くさかったけど……。
……ん?
樹の下に誰かいるみたいだ。
霧が邪魔で見えないけど……女の人かしら?
何故かとても気になって、もう少し近付いてみる。
ウェーブのかかった長い金髪が風で揺れている。
その女性が私に気付いて、ゆっくりと振り返る。
「……うそ」
その女性は私の知っている人に似ていた。
……もう、会う事が出来ない人。
それは私の……、
「……お母さんっ!?」
私は駆け出す。
もう少しで指先が触れるというところで私は夢から覚めた。
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