第1節 新生活

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「アッくん超かわいいんだけど~」 「またそれぇ」 クミコのダイスキな『アッくん』がテレビに大きく映っていた。 今日は“U-22 オリンピック予選日本VSサウジアラビア”の試合だった。 “アッくん”は先発出場していた。 今はその試合のハーフタイム中。 わたしたちは今、市内のフットボールツバー“Kickoff”に来ていた。 最初から飲む気でいたからタクシーで来たのだ。 ここまでは自宅から徒歩で20分ぐらいかっかたかな。 そんなに遠いわけでもなかった。 普段は居酒屋として営業されてるんだけど試合のある日だけはフットボールバーとして営業していた。 普段はそうでめないんだけど試合の日だけはものすごい盛況で予約をしないと入店できないらしいの。 だから私たちも一昨日のうちに予約しておいたのね。 “日本代表”の試合だけではなく“ワンダーランズ”の試合の日もフットボールバーとして営業してるみたい。 クミコは水戸で買ってきたという青いユニホームを着ていた背中にローマ字で〝IEDA〟と書かれその下にはデカデカと〝12〟と入っていた わたしはクミコからもらったひも状のリストバンドを左手首に装着していただけ。 クミコに比べたらかなりさみしいけどね。 実はわたしはお酒が大の苦手なの・・・ コップ1杯で顔が赤くなっちゃう。 クミコはお酒が大スキ。 『アッくん』と『お酒』どっちを選ぶと聞いたらお酒を選ぶんじゃいないかな? ちなみに今、わたしのグラスは2杯目。 クミコにすすめられて断れなかった。 顔だけじゃなくて首まで真っ赤になっていた。 クミコはもっと飲んでるはず。 何杯目だろう? もう数えきれないな。 わたしの方はだんだん意識が朦朧としてしてきていた。
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