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「ねぇ、クミコ」
わたしはクミコに謎を解明すべく質問してみた。
2杯目を空けたところまで記憶があるんだけどそのあとの記憶がほとんどなかった。
限りなく“ゼロ”に近い。
「あのね、昨日はここまでクミコが運んでくれたの?」
まずそのこの事を聞かねば!
普通考えたらクミコしかいないんだけどね。
だってクミコにお礼をいわなきゃいけないじゃん。
「ちがうよ。」
えっ、じゃぁ誰が・・・・
そのことはちゃんとクミコが説明してくれた。
久美子の説明によるとナンパ魔が何人かいたらしいんだけど私が倒れた後、蜘蛛の子を散らすみたいにいなくなったらしいの。
クミコとわたしだけがのこされたらしいの。
ビールとかカクテルとかいっぱい飲んじゃってたし重くて運べなくて困ってたらしい。
そこへ赤い『ワンダーランズ』のユニホームを着た男の人がおぶってわたしを負ぶってタクシーではこんでくれたらしいの。
なんとなくだけど少し覚えてる。
大きくゆったりと安心感のある背中に‘13’の番号がのかってた。
確かあの時、その人の背中の上で気持ち悪くなって「おえっ」いっちゃったような・・・
でもちゃんとここまで連れてきてくれた。
きっと、いい人だったんなぁ。
ベッドに寝かされベルトとシャツの第一ボタンが緩められてただけであとは何もされたなかった。
その人‘紳士’だっんだね。
ここで『わたし、魅力ないのかな?』なんておもうのは間違いかな?
でもその人その後どうしたんだろ?
ちゃんと帰れたのかな?
匂いは残らなかったのかな?
謎はひとつ解けたけど結果として幾つかの謎がふえてしまった。
クミコはその人の携帯番号とかメアドとか連絡先とか聞いてなかった。
お礼ぐらい言いたかったなぁ。
そんなことを考えながら右のほっぺをさわってみた。
なんだろ?
あったかい感触が残ってる・・・
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