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一馬くんの言葉を聞いて、東堂はゆっくりとナイフを下ろす。
トウドウ「ナイフ持ってんのは、俺だけじゃないって事、よく覚えとけよ??」
そう言って、ナイフをポケットにしまい、仲間を引き連れ外へ出て行った。
怖くてしょうがなくて
涙が溢れそうになったけど、私はグッとこらえた。
…こんなとこで
泣いたりしない…。
そんな私を見て、一馬くんがため息をつく。
カズマ「挑発してどうすんの。東堂さんは何しでかすか分かんないんだからさ。」
そう言って私の隣にしゃがみこんだ。
カズマ「マジで刺したらどうしようって、焦った。」
…何よ。
裏切りもののくせに。
そんな心配そうな顔しちゃって…。
アイミ「何よ…敵でしょ」
私がそう言うと、周りをキョロキョロと見渡し、私の耳元で
カズマ「…違う」
そう小さく呟いた。
…え…??
今…何て…
カズマ「こんな事してごめんね…ちゃんと助けるから。」
アイミ「…え??」
どうゆう事…??
一馬くんは東堂の仲間で
龍が…嫌いなんでしょ…??
カズマ「確かに俺は、東堂さんの仲間…でも俺は、東堂さんのやり方は嫌いなんだ。こんな卑怯なやり方。何度、東堂さんと仲間の縁を切ろうか迷ったけど、そんな事したらきっと、俺の仲間までひどい事になりかねない。」
そう悲しい顔で話だした。
カズマ「東堂さんは俺らのグループの先輩だからさ。他にも、そう思ってる奴はいると思う。それに、正直いって、神崎を恨んでんのは東堂さんだけだから。心配しないで、ちゃんと助けるから。」
…信じていいのかな…??
一馬くんは東堂の仲間…
カズマ「本当はさ、神崎の事なんてどうでも良かった。大人しく命令にしたがおうって思ってたし。でもさ、神崎とか愛美ちゃんとかと一緒にいて、命令されて近づいたのに…一緒にいて楽しくてさ…こんな事したくないんだけど…後少しだけ我慢して」
あまりにも一馬くんの目が真っ直ぐで
嘘ついてるなんておもえなくて
私は――…
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