あとがき

2/2
前へ
/9ページ
次へ
 あとがき、という程大層なものではないですが。  言う間でもなく、このお姫様は、童話「白雪姫」の意地悪なお后様です。  白雪姫や人魚姫、シンデレラなど、お姫様を中心に回る童話はいくつかあります。どの話も、お姫様と王子様のロマンチックな恋だったり、シンデレラのように幸せを掴んだりが売りです。  そういうお姫様童話において、お姫様の周りの人々――白雪姫の小人達や、人魚姫のお姉さん達――は、主人公であるお姫様に隠れて、その存在が希薄になりがちな気がします。仕方ないんです。童話の主人公はお姫様なのですから。  しかし、彼ら無くしては、お姫様の主人公性も霞んでしまい、童話が成り立たなくなります。お姫様も重要ですが、その周りの人々も、また重要な存在なのだと私は思います。  童話がお姫様中心に回るのは当然。それなら、お姫様以外の誰かにスポットを当ててみよう。  この作品は、そういう思いつきで書いたものです。  この作品を書くにあたり、私は時代考証や原作研究を一切していません。つまり私の妄想の賜物ですから、本当の「白雪姫の意地悪なお后様」は、やっぱりただの意地悪なお后様だろうと思います。  でも、それだけじゃつまらない。  お姫様に隠れてしまう登場人物達にも、こういうドラマがあってもいいんじゃないかな、と。  何にせよ、読んで頂けて楽しんで貰えたら幸いです。  ここまで読んで下さった方に感謝。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加