死亡推定日時

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「勤め先から 2日も無断欠勤してるから 様子を見てきてくれと電話があって 家に行ったら玄関が開いていて 奥の部屋でね 洗剤の箱を踏み台にして…」 「…」 何も言えない私と妹に向かって 叔父は話し続けた。 「薄暗い部屋で ブランとぶら下がっている姉を見つけた時は さすがに腰が抜けた。 見て明らかに死んでると思ったから 警察に電話した。 そしたら俺が疑われた。 普通は救急車を先に呼ぶものだし まず下ろすだろうってさ。 落ち着いて考えたらそうなんだけど 人が死んでるイコール警察だって思ってしまって。 事情聴取されたよ。 アリバイみたいなことまで聞かれて びっくりしたよ」 「でも 自殺なんですよね?」 私は結論を聞いた。 「遺書があったからね そう決めたみたいだけど 裏付け捜査をやってる時 少しおかしなことがあったみたいで お母さんの遺体も調べられて さっきここに運ばれてきたんだよ」 「おかしなこと?」 「詳しくはわからないんだ。 警察は話してくれない。 わかっていることは死亡推定日時だけ。 おとといの朝7時~9時の間だそうだ」 つまり 死後2日たってから 叔父が発見したということだった。
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