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叔父の話を聞いているうちに
夜が明けた。
私は長女ということで喪主になり
葬儀の手配の一切を任された。
葬儀社との細かい打ち合わせ
棺、祭壇、香典返し、挨拶状、霊柩車、お寺に精進あげ…。
めまぐるしく事が進み
私は
母に向かって
手も合わせていなかったことに
気づいてなかった。
亡くなった理由が
縊死(いし)だということと
まだ不可解なところがあるということで
葬儀は密葬にした。
警察は『自殺』と断定したのだから
今更覆るはずはないのだけど
葬儀の手配を進めながら
どうしても
自殺の理由を知りたいと
私は妹と話し合ったからだ。
火葬許可願いを書く時に
死亡診断書に目を通した。
『死亡日時…推定23日午前7時頃』
今日は26日、やっとお通夜だ。
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