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朝礼終了と共に俺を取り囲む女達。
露骨に嫌な顔をしても気にせず話しかけてくる女達に、俺は吐き気をもよおした。
名前を言われても皆同じ顔に見えるから、意味がないともわからずにアピールしてくる。
そんな俺の目に入ってきたのは一人黙々と仕事に取り組む女だった。
まるで存在を消すかのように小さくなりこちらを見ようともしないで、彼女は俺と同じように話しかけるなオーラを醸し出している。
一瞬こちらを見た彼女の目は、軽蔑心丸出しのすごく冷たい目だった。
――俺と同じ匂いがする。
何故か俺は、この時久しぶりに彼女の顔を一人の人間として認識することが出来た。
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