初めましては類友の予感

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  ●●大貫 綾の場合●●   時は4月。 スーツに不釣り合いな幼さを感じさせる青年が一人、我が部署に配属されてきた。   大和 怜―やまと りょう―。 大学をこの春卒業したばかりの新社会人だ。     「大和怜です。まだ右も左もわからない新米ですが、一生懸命頑張って仕事を覚え、早く会社に貢献出来るようになりたいです。どうかご指導の程よろしくお願いします」     彼が挨拶を終えると、女子社員の盛大な拍手が事務所の中に鳴り響いた。   頬を赤らめ瞳をハートマークにして彼を見つめる女の子集団と、ご自慢のお色気作戦で彼を魅了しようとするお局集団。   彼女達の間には目には見えない火花がじりじりと放たれている。     「会社は学校とは違い、働いてお金を得る所だ。働かざる者食うべからずという諺があるように、会社に貢献してこそ始めてお金を手にすることが出来る。新社会人の大和君はもちろんだが、他の皆も再認識してもらい頑張って欲しい」      
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