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●●大和怜の場合●●
俺の夢は保育士だった。
もしも俺が普通に育っていれば、間違いなく保育士になっていたと思う。
だけど何処でどう道を踏み外したのか、俺は女性恐怖症という生きていく上で障害となるものになっていた。
なっていたと言うのもおかしいが、とにかく俺は女が怖いというか嫌いなのだ。
特に何かがあったわけではない。
もしあるとすれば、それは幼稚園の頃からの悪友、浩の女遍歴のせいかもしれない。
こんな俺にも中学までは好きな女の一人や二人いた。
一言で言うなら『純真無垢』な女が俺のタイプ。
しかし、俺のまわりにはその言葉とは程遠い『不純異性交遊』という言葉が似合う女しかいなかった。
浩に纏わり付く女の代名詞、それは『男好き』『女番長』『ギャル』などと俺の大嫌いな人種。
なのにアイツらは浩と付き合っていながら、この俺に色仕掛けで迫ってくる。
俺と浩は親友だぜ?人格疑うだろ?
中には俺と関わりあいたくて浩と付き合うという奴もいた。
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