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浩は『俺も遊びだから気にするな』というが、浩が女を変える度に俺の女嫌いは悪化の道を辿るばかりだった。
高校も女が嫌いという理由で男子校に進み、大学では女がいる場所に一切近付かない。
次々と変わる浩の彼女とも会わなければ、通学も自転車で頑張っていた。
そんな俺が普通の会社に就職したものだから、浩は体いっぱいで驚きを表現することとなった。
「事務所なんて言ったら女ばかりだろ?大丈夫なのかよ」
「わかんねぇけど大丈夫なんじゃね?」
まるで人事のように答える俺。
この時の俺は、どうかしていたのだ。
実は大学を卒業したあとの進路のことで、俺は「自動車の部品を作る会社に入るから」と大して興味もない仕事を親に報告した。
すると父親は黙っていたが、母親がハンカチ片手に泣き出したのだ。
「母さんと父さんの子供はお前だけなのよ?いつかは母さんもあんたの孫をこの手に抱いてみたいの!」
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