初めましては類友の予感

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「あんたは22にもなろうかっていうのに女の一人も作らない。近所ではそんなあんたをホモなんじゃないの?って陰口叩かれてるんだからね!浩君に謝りなさいよ!」     ……何故ここで浩の名前が出てくる? ホモって……まさか俺の相手が浩ということになっているのか?   俺は想像力豊かなオバサン達にお手上げだった。     「とにかく!就職先は汗臭い男ばかりの所は許さないからね?女性が少なくとも10人はいる所にしてちょうだい」     …………。   初めて知った母親の胸のうち。   今まで俺の進路に口を出すことのなかった母親が、初めて口を出した。   拒否ることも許されそうになく、仕方なく俺は『湊株式会社』に就職したのだ。   正直孫のことを言われると、母親の意見に従わざるをえなかった。     こうして入社式の日を迎えたのだが、初日の朝礼で早速後悔することとなったのは言うまでもない。      
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