8人が本棚に入れています
本棚に追加
無我夢中で先を進んで行くと、鬱蒼と生い茂っていた木々を抜けた。
それは突然で、薄暗かった視界は一気に白く輝いた。
一瞬目を閉じたアリスだが、ゆっくりと目を開いていく。
完全に目が慣れてから、辺りを伺う。
広大な平地。
目の前には大きな湖が静かに水面を揺らしている。
その湖の周りには高い木々が取り囲み、ここへたどり着くのは難しく思う。
その湖の真ん中に、大きな城が悠然とそびえ建っていた。
「…お城…あった」
『あったね』
相変わらず他人事。
そんな猫を恨みがましく睨んで見たが、本人は全く気にする素振りは見せない。
無駄だとわかっていても、せずには要られないのは人間の性なのか…
そんな事を思いながらも、もう一度城へ目を戻した。
最初のコメントを投稿しよう!