第二章

7/7
前へ
/37ページ
次へ
呆けたまま、アリスはチェシャ猫を見下ろした。 まるで当たり前の様に、猫は突き進む。 (…不思議) チェシャ猫を見ながら、思った。 華奢そうな体なのに凄い力持ち。 しかも水面を歩くなんて… (…理解出来ない世界ね) 気づいた時には既に城の門前にチェシャ猫は立ち止まっていた。 ゆっくりと降ろしてもらい、アリスは城を見上げる。 静かにたたずむ城は、近くで見ると微かに淡い青色に輝いていた。 感心していると、不意に城門が開いた。 まるで待っていたかの様に…。 「………」 生唾を飲み込み、チェシャ猫のローブの裾を握り締めた。 そして、城の中へ足を踏み入れる。  
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加