第一幕

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声にならない悲鳴をあげる。 顔を覗き込んでいたねずみも、きゃあっと小さな悲鳴をあげた。 コロン、と後ろにひっくり返ってしまう。 「な、な、なに?!!」 少女、セシルは立ち上がり、バクバクする心臓を必死に宥めようと胸に手を当てた。 ひっくり返ったねずみを見て、セシルは我が目を疑ってしまう。 ねずみは小さな子供くらいの大きさだったのだ。 言葉を失っているセシルを尻目に、ねずみはまん丸黒目をパチクリさせ、首を傾げた。 《…アリス……?》 「…は?」 《アリスッッ!!やっぱりアリスだッッ!!!》 ねずみはセシルの顔面にその顔をぐんっと近づけ、手を握ってぶんぶんと上下にふる。 「ちょ、ちょっと…!!」 《良かったっ!!アリスッッ!!!!》 この際、ねずみの大きさはどうでもいい。 とりあえずねずみを止めようと声を荒げた。 「ちょ、アリスじゃないッ!!私はセシルよっ」  
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