第一幕

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    しかしねずみは、そんな言葉は聞こえて無いかの様に話を進めた。 《さぁアリス!!パーティーが始まってしまうよッッ!!行こう!!》 ぐいぐいと手を引っ張るねずみ。 セシルはその手を振り払う。 「ちょっと待って、人違いよ!!」 セシルが何を言っても、ねずみは聞く耳を持たない。 そろそろ諦めようかと思い始めた時。 シャアーッ!!! 獣が威嚇する様な音が響いた。 ひぃっ!!と、ねずみは悲鳴をあげると一目散に逃げ出してしまった。 辺りは鬱蒼と木々が生い茂っている。 セシルの頭では嫌な想像が膨らんでいく。 (も、森の中って事は……熊?!!それか虎?!!) 妄想は止められず、段々思考回路は最悪な展開へと向かって行くが…妄想通りにはいかなかった。 『ねずみのパーティーに行ってもつまらないよ、アリス』 「だ、誰?!!」 辺りを見回しても、声の主の姿は無い。 『ねずみは人を食べるからね。甘い言葉にはお気をつけ』 「何処にいるの?!!」 『上だよ』  
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