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しかしねずみは、そんな言葉は聞こえて無いかの様に話を進めた。
《さぁアリス!!パーティーが始まってしまうよッッ!!行こう!!》
ぐいぐいと手を引っ張るねずみ。
セシルはその手を振り払う。
「ちょっと待って、人違いよ!!」
セシルが何を言っても、ねずみは聞く耳を持たない。
そろそろ諦めようかと思い始めた時。
シャアーッ!!!
獣が威嚇する様な音が響いた。
ひぃっ!!と、ねずみは悲鳴をあげると一目散に逃げ出してしまった。
辺りは鬱蒼と木々が生い茂っている。
セシルの頭では嫌な想像が膨らんでいく。
(も、森の中って事は……熊?!!それか虎?!!)
妄想は止められず、段々思考回路は最悪な展開へと向かって行くが…妄想通りにはいかなかった。
『ねずみのパーティーに行ってもつまらないよ、アリス』
「だ、誰?!!」
辺りを見回しても、声の主の姿は無い。
『ねずみは人を食べるからね。甘い言葉にはお気をつけ』
「何処にいるの?!!」
『上だよ』
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