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言われるがまま見上げると、一本の木の枝に器用にも人が丸まっていた。
今にもへし折れそうな枝だが、折れる事は無かった。
音も無くその人(?)はセシルの前に飛び降りた。
しなやかな体。
全身、真っ青なローブを身に纏っている。
顔はフードを深く被っているせいで見えない。
が、耳まで裂けた口はにんまりと笑っている様に見える。
胸元には、水色の鈴がぶら下がっていた。
「だ、誰…ですか…?」
『僕はチェシャ猫。アリス、シロウサギを追いかけよう』
「チェシャ…猫……?シロウサギ…?」
突然、シロウサギを追いかけようと言われても…正直、困る。
「あの…チェシャ猫さん、でしたっけ?…ここは何処ですか?それにあなた…なに?」
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