heAveN's door

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さっきまで ずるずる聞こえてた鼻をすする音。 ひっくひっくって声出しながら揺れてた肩。 どっちも止まって 背中に回されてた手がぎゅって俺のTシャツを掴んだんだ。 「………………る」 『ん?』 かすかに聞こえた声。 聞こえなくてすぐ近くの亀の顔に耳を近づけた。 「……………かえる」 『…そうだな帰ろっか。』 まるで愛しい子供をあやすみたいに 俺の手は無意識に亀の柔らかい髪をなでる。 「…………じんちに………かえる」 .
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